0~3歳の育児が分かる! にじの森のおばさん   「ろっこ」のブログ

森の中の子育てひろば「にじの森」(NHKで放送されました)の主催者ろっこが育児がつらいあなたへ贈る「育児のひみつ」

育児は人生そのもの

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育児のあいうえお」はちょっとお休みします。

講座でもにじの森でも時々お母さん達に話すのですが、

育児って人生そのものなんだなぁ、とつくづく思います。



子どもが生まれて来て、何気なく育てているうちに

子どもを通して自分の人生を見せられているような気持ちがすることはありませんか?

私は自分が育った家庭が毎日ゴタゴタとしていて心のやすらぐ時がなかったので、

子どもにはそんな思いはさせたくないと思い、

自分と同じ思いはさせない!と決めて息子を育てました。

全て出来たとは思いませんが。




息子は障害児だったので、普通の育児が出来なかったことが

かえって良かったのかも知れません。

なるべく能力は伸ばしてあげたいと思ったものの、

普通の子どものように、という期待をしなかったし、

あまりにも普通と違い過ぎたので、

逆に何でもありだ、と楽しいことを模索できたのです。




普通の子どもだったら、もしかしたら

自分がそうされてきたように、

子どもにきちんとすることを望んだり、

勉強をしっかりすることを押し付けたり、

ギューギューに枠にはめようとしたりしてしまったかも知れません。




子どもが親がしていることをまねして育つように、

親もまた、育ててもらったようにしか育てられないのです。

育児って、講座でも話しましたが、

親から付けてもらったフィルターを通して世界を見ている

その世界観がもろに現れます。

~しなきゃいけない、

~するべきだ、

~した方がいい、

そんな風に思うことは殆ど全て親から与えられた価値感なのだと思います。




でも、我が子の育児を通して、何かちょっと違うかも?!

と気づき、軌道修正をし、

新しいフィルターをつけかえる。

そんな作業をしているのではないかなぁ。




障害のある子は、親から付けてもらったフィルターは通用しない。

最初から強制執行されているようなものですね。

最初は大変だけれど、私にとってはかえってそれがプラスになったように思います。

息子を通して新しい生き方を模索できました。

それは何事にも捉われず、ひとつひとつのことの本当の意味を考えてみる時間でした。

それを今、にじの森で大切にし、生かしています。




育児に疲れてしまった時、どうしていいか分からない時は

ちょっと立ち止まって、今までのフィルターを

自分のフィルターに付け替える時期かも知れません。


育児は大変なことも多いけれど、

人生を大きい視点から見た時には

そんな意味も現れてくるのではないでしょうか。




そして、自分でさえ気づかなかった

新しい自分になる。

新しい自分というよりも、本当の自分のエッセンスに気づく、

そういうことかも知れません。

そこからまた、新しい人生が開けてくる。

親の影響から脱して自分の人生を創っていく、

そのきっかけをお子さんが与えてくれているのだと思います。


*写真は にじの森整備を始めた頃(2015年3月)